便利な間取りはどう実現するか

住宅設計で失敗を避けるコツは、自分の好みを反映させていくことです。生活スタイルは人により大きく異なるので、間取りもそれに合わせていく必要があります。家には眠るためだけに帰るという人であれば、間取りについてそれほど深く考える必要はないかもしれません。一方で一日のほとんどを家で過ごすのであれば、大いにこだわるべきでしょう。

生活に合わせた間取りを実現するには、自身の行動パターンを分析してみることが大切です。自分は室内をどのように移動するのかシミュレーションしてください。例えば、朝起きて洗面所に行くと、洗面所の使用を待っている人で渋滞している状況は不便でしょう。こうした場合は洗面所を二か所設置すれば解消することが多いです。

ムダを省いていくことの重要性

住みやすい間取りのためには、いかにムダを発生させないかがポイントです。ほとんど使用しない設備を導入すると、その分だけスペースが減ります。スペースが狭くなるほど動線は悪化し、室内を移動するときに気を遣うようになります。洗面所に行きたいけど、他の人が椅子に座っていると横を通り抜けできない、といった状況では不便を感じるでしょう。特に居住人数が多くなる状況では、間取りの最適化が重要なポイントです。

家造りの間取りを考えるときは、自分の好みを追求するよりも、利便性を重視してみましょう。自分の好みが必ずしも利便性につながるとは限らず、逆に利便性を損なうケースがあります。設備を必要以上に増やすのではなく、減らす工夫をすることで間取りが最適化するケースは少なくありません。